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文化庁への抗議声明送付と【緊急集会】開催のお知らせ

独立映画鍋は、昨日(10日)、「あいちトリエンナーレ2019」への補助金不交付の決定に対して、共同代表の連名で萩生田文部科学大臣と宮田文化庁長官宛の抗議声明を送付しました。
合わせて、今月23日(水)に、この問題に関する【緊急集会】を開催します。
※【緊急集会】の詳細については、こちらをご参照下さい。

以下、抗議声明文です。


「あいちトリエンナーレ2019」への補助金不交付の決定に対しての抗議声明

2019年10月10日

文部科学大臣 萩生田光一 殿
文化庁長官 宮田亮平 殿

特定非営利活動法人 独立映画鍋
共同代表 土屋豊
共同代表 深田晃司

 文化庁は、「あいちトリエンナーレ2019」に対して既に採択されていた補助金の全額不交付を決定しました。私たちは、この決定に強く抗議し、その方針の撤回を求めます。

 芸術文化に対する公的支援は、憲法第21条にある「表現の自由」という民主主義の基本理念を国民に保障するためにあります。自主的な文化芸術活動を尊重し支えることは、多様な表現や意見、価値観に市民一人ひとりが触れられる社会を持続していくために欠かせません。今回の文化庁の方針は、本来非難すべき行政の長による文化の場への不当な介入や、自由な表現活動を妨害する脅迫等の卑劣な行為を、国家が追認・許容するということに他なりません。しかも、その不交付決定のプロセスはあまりにも不透明です。

 これは決して、特定の芸術分野にとどまる問題ではありません。
 私たちは、映画を通じて市民一人ひとりが世界の多様性に触れられる、民主的な社会の実現を目指して活動しています。そして、そのような社会の実現のために、芸術文化に対する公的支援の必要性を訴えてきました。だからこそ、今回の文化庁による補助金不交付という公的支援の原則を踏みにじる事態を、決して看過することはできません。

 文化庁はこれまで、市民の声を聞きながら文化芸術推進基本計画の理念のもと、多くの芸術文化を支援してきました。映画表現も例外ではなく、豊かな文化政策があってこそ、あらゆる芸術文化は「多様な価値」を生み出し続けることができるのです。だからこそ私たちは、公に開かれた対話の道を閉ざさず、より平等に、揺るぎなく「表現の自由」が守られるよう声を挙げます。