【鍋講座Vol. 30】世界のドキュメンタリー映画祭は今!ヨーロッパと生中継でトーク!
カンヌ映画祭マーケットが今年からドキュメンタリー専門スペースDOC CORNERを大きく拡充するなど、映画界でドキュメンタリー市場に注目が集っている。世界のドキュメンタリー観客数の増加と製作資本の多様化が進んでいる模様だ。そうした中、ドキュメンタリーに特化した国際映画祭はますます活況を呈している。コペンハーゲンの「CPHドックス」(デンマーク)は今最も先鋭的なドキュメンタリー映画祭と言われ、昨年91,400人の観客を動員した。60周年を迎えた「ドック・ライプチヒ」(ドイツ)は、ライプチヒ中央駅舎内で上映するなど古い町並みの魅力と政治性の強い独自プログラムを誇る。ネット中継を利用しそれぞれの映画祭の代表者と対話しながら、国際ドキュメンタリー映画祭の役割と昨今の傾向について聞く。皆さんからの質問コーナーも!
◆ CPH:DOX ~ドキュメンタリーの進化系を追う
2003年より開催しているCPH:DOXは、11日間に渡るコペンハーゲンのドキュメンタリー映画祭。特にニューテクノロジーとのシナジーを探ることで知られ、急成長している。映画を中心に、ドキュメンタリーの手法を用いる音楽やサウンド、アート、パフォーマンス、展示、VJカルチャー等まで、現実との接点を探るハイブリッドな表現をラインアップする。デンマークの文化政策・映像産業の強力な後押しに支えられ、業界関係者向けの市場、セミナー、国際共同製作フォーラム、映画制作ラボなど実に多彩なプログラムを運営し「映画祭は新作映画をお披露目する場」という古い常識を塗り替える。2017年から開催時期を秋から3月に移す。
現地から中継:ニクラス・エングストローム(プログラム責任者)
http://cphdox.dk/
◆ DOK LEIPZIG ~今年のテーマは「不服従」
冷戦時代の1955年に当時東ドイツだったライプチヒでスタートした国際映画祭で、アート系ドキュメンタリーと並びアニメーションを上映する。近年350本超を上映する巨大プログラムは、テーマや国、監督に焦点を当てた特集が好評だ。今年は「不服従」をテーマに、トルコの作品やポーランド映画史のプログラムが控える。若者の観客に向けたプログラムでは「ヒップホップ」がキーワード。コンペティション部門では数多くの賞を授与し賞金は潤沢。インターラクティブ部門(ウェブドキュメンタリー、VR、ゲーム、アプリ、インスタレーション)も応募受付中。バイヤーなど業界プロ1800人以上が新しい傑作探しに集う。今年の開催は10/31~11/6、最終の応募締め切りは7/7。
現地から中継:グリット・レムケ(映画プログラム責任者)
http://www.dok-leipzig.de/en/
司会進行 植山英美(ARTicle代表、映画鍋会員)
ニューヨーク在住20年以上、映画ライターや映画祭プログラマーとして活躍。2012年に帰国後、日本映画、特にドキュメンタリー映画のプロデューサー、海外セールスを手がける。『風の波紋』『お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました』等。
企画・通訳 藤岡朝子(山形国際ドキュメンタリー映画祭理事)
◆開催日時 2016年6月7日(火)19:00~21:00(18:30開場)
◆会 場 下北沢アレイホール(東京都世田谷区北沢2-24-8 下北沢アレイビル 3F)
小田急線・井の頭線 下北沢駅北口より徒歩2 分
http://www.alleyhall.com/
◆参加費 一般 800 円 独立映画鍋会員は無料 ※事前予約不要
◆主 催 特定非営利活動法人独立映画鍋 http://eiganabe.net
070-5664-8490 (11:00~18:00) info@eiganabe.net
◆協 力 下北沢アレイホール